一般社団法人 日本有機農産物協会(Japan Organic Products Association)

コラム

VOL.9 お肉・牛乳・卵などは、どう選ぶ?~「有機畜産物」と「アニマルウェルフェア」

※本記事はオーガニックBtoCサイトより移管した記事になります。

https://organic-btoc.com/index.html

2020年7月16日から、新たに有機畜産物(精肉・牛乳・卵など)とその加工食品(ハム・チーズ・ミルクチョコレート・ラクトアイスなど)においても、「有機」「オーガニック」と称するためには、有機JAS認証と有機JASマークの取得が必須になりました。

近年、国内外で、より安心して食べられる畜産食品の需要が高まり、消費者からも「有機の農産物と同様に、有機の畜産物についても分かりやすい表示が必要」という声が上がるようになりました。さらに、東京オリンピック・パラリンピックの「食材調達基準」に有機JAS食品の利用が推奨され、日本を訪れるアスリートや外国人旅行者からも有機食品への関心が高まっています。このような背景から、有機畜産物の認証制度がスタートしたのです。

今後は、農産物だけでなく畜産物においても、有機JAS認証と有機JASマークによる保証を得ることで、消費者は、有機の食品かどうかを客観的に判別できるようになるわけですね。尚、有機畜産生産者の皆さんは、以下に記すアニマルウェルフェアにも配慮して生産活動を行っています。安全で美味しい畜産物を生産するためには、動物たちが心地よく過ごせる環境や良質な餌が不可欠なのです。

【TEIKEI】は世界語に

近年、畜産業において、世界的に、「アニマルウェルフェア(Animal Welfare=動物福祉)」という概念が重要視されています。感受性を持つ生きもの(家畜)に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、「ストレスはできる限り少なく」・「行動要求が満たされるよう」・「健康的な生活ができるよう」な飼育方法をめざす畜産のあり方を指します。以下に記した「5つの自由」は、イギリスで提唱され、今では世界各国に広がっている、アニマルウェルフェアの基本的な考え方です。

1.空腹と渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛みや傷、病気からの自由
4.正常な行動を発現する自由
5.恐怖や苦悩からの自由

ライター 小林 さち

日本語学校で教師をしていた20代の頃、生徒さん達が自国の政治・文化・環境問題等について熱く語る様子に刺激を受ける。「自分も“国の底力”を支えるような仕事がしたい」「国の底力ってなんだろう?…まずは“食”と“農業”では?」と、オーガニック系食材宅配会社に転職。仕入れ・商品開発担当者として、全国の農家さん・漁師さん・食品メーカーさん等を訪ね歩く数年間を送る。たくさんの生産者や食材と触れ合う中で、「この国には、良い食品を作ってくれる人が思いのほかたくさんいる。でも、その良さが、生活者(消費者)にきちんと伝わっていないケースが多々あり、良いものがなかなか広がっていかない」ということを痛感するように。以降、広告宣伝の部署に異動した後、独立。現在はフリーランスの立場で、広告プランニング・コピーライティング・商品ラベルやパッケージの企画・食生活や食育に関する記事執筆等を手掛けている。