一般社団法人 日本有機農産物協会(Japan Organic Products Association)

コラム

VOL.23 オーガニックコスメは効果が弱い?~ケミカルコスメとの違いを知って使い分けてみる

※本記事はオーガニックBtoCサイトより移管した記事になります。

https://organic-btoc.com/index.html

近年、第三者機関(認証団体)によるオーガニック認証を得たコスメが一般市場でも入手しやすくなりました。輸入ものから国産のものまで様々なメーカーのオーガニックコスメを幅広く取り揃えたショップも登場しています。

一般的に、オーガニックコスメとケミカルコスメ(従来の一般的な化粧品)は、次のような違いがあります。

◆オーガニックコスメ…植物が持つ力による複合的な効果効能を持ち、肌が本来もっている自己回復力やバリア機能を高めるような長期的なアプローチをしていくという東洋医学的な考え方のもと作られている。

◆ケミカルコスメ…得たい効果効能を目指して化学合成物質を配合したもので、短期的に見た目やトラブルにアプローチする西洋医学的な考え方のもと作られている。

効果効能・機能面・即効性などを重要視する場合はケミカルコスメの方が優秀なものが多いのですが、化学合成物質に刺激を感じる方や、肌本来のバリア機能や治癒力を育てていきたい場合は、オーガニックコスメがお薦めです。(ただしオーガニックコスメは植物のパワーが肌へダイレクトにアプローチするため、肌質や体質によっては刺激を感じたりアレルギーを引き起こしたりするケースもあります。心配な場合は二の腕の内側など目立たない箇所でパッチテストをしてみましょう。) 「どちらが良い・悪い」とか、「どちらが肌に優しいか」ということではなく、自分の肌や目的に合わせて選択することが大切です。

これからオーガニックコスメを使い始めてみようという方は、化粧品や乳液など定番のアイテムは、肌が本来持っている自己回復力やバリア機能を高めるためにオーガニックコスメを使い、くすみ・シミ・シワ等のトラブルにアプローチする際や、アンチエイジングのためのスペシャルなケアをする際にはケミカルコスメ…というように、組み合わせて使ってみるのはいかがでしょう?

《オーガニックコスメの現状》
基本的には、オーガニック認証マークがついているものを「オーガニックコスメ」と呼びます。認証マークは第三者機関(認証団体)が設けた厳しい基準をクリアした証明バッジのようなもの。ただし、その認証団体によって基準には多少の違いがあり、一部の石油由来成分を許容している機関もあります。一方で、認証マークを取得していなくてもこだわりのオーガニック原料を積極的に使用し、天然由来100%の原料で作られたオーガニックコスメも存在しています。各メーカーの理念や背景をしっかり知ることが、“自分が求めているオーガニックコスメ”かどうかを見極める上で大切なポイントとなるでしょう。(現在、パッケージに「オーガニック」という記載があっても、オーガニック原料をわずかしか配合していないものもあるようです。原材料表示をチェックしてみてください。) 

《ナチュラルコスメとは?》
一般的に、天然由来の原料を使用し、化学合成物質を全く使用していないか、極力控えて作られたコスメのことを指します。特別な定義はなく、「ナチュラル」や「自然派」という表現も曖昧なのが現状で、「ナチュラルコスメ=天然由来100%」ではないので見極めが必要です。成分表や、パンフレットやwebサイト等でメーカーのポリシーを確認するようにしてください。

ライター 小林 さち

日本語学校で教師をしていた20代の頃、生徒さん達が自国の政治・文化・環境問題等について熱く語る様子に刺激を受ける。「自分も“国の底力”を支えるような仕事がしたい」「国の底力ってなんだろう?…まずは“食”と“農業”では?」と、オーガニック系食材宅配会社に転職。仕入れ・商品開発担当者として、全国の農家さん・漁師さん・食品メーカーさん等を訪ね歩く数年間を送る。たくさんの生産者や食材と触れ合う中で、「この国には、良い食品を作ってくれる人が思いのほかたくさんいる。でも、その良さが、生活者(消費者)にきちんと伝わっていないケースが多々あり、良いものがなかなか広がっていかない」ということを痛感するように。以降、広告宣伝の部署に異動した後、独立。現在はフリーランスの立場で、広告プランニング・コピーライティング・商品ラベルやパッケージの企画・食生活や食育に関する記事執筆等を手掛けている。