一般社団法人 日本有機農産物協会(Japan Organic Products Association)

コラム

VOL.2 What is Organic?

※本記事はオーガニックBtoCサイトより移管した記事になります。

https://organic-btoc.com/index.html

そもそも、有機農業(オーガニック)とはなんでしょう? 一般的な認識は、「農薬や化学肥料を使わないってことだよね?」という程度でしょうか。

有機農業の国際的な統括団体IFOAM(アイフォーム=国際有機農業運動連盟)では、次のように説明しています。

有機農業(オーガニック)は、土壌と生態系、そして人々の健康を持続させる生産システムである。有機農業は、地域の条件に適合した生態的なプロセス、生物多様性や循環を活用し、悪い影響を与える投入物を使用しない。有機農業は、関わるすべてのもののというために伝統と革新と科学を組み合せ、共有している環境に利益をもたらし、公正な関係性とよい生活の質を促進する。

この原則をふまえ、日本では、有機JAS制度によって、「有機農産物」「オーガニック」と表示する場合は、国が定めた基準を満たしたものであることが義務付けられています。(詳細は、このサイトの「有機JASとは?」というコーナーをご覧ください。)

かれども、「基準」は、有機農業のほんの一面でしかありません。多くの有機農業関係者は、「農薬や化学肥料を使わなければそれで良い…というだけではない」と考えているのです。
「有機農業」という表現は、「天地有機(天地に機あり=自然界には“機”、つまり、“仕組みや法則”があるという意味)」という言葉から生まれました。自然界の仕組みや法則にのっとった農業とは、いったいどんなものなのか…と考えた時に、有機農業の本質が見えてきます。それは、ちょっと固い表現になってしまいますが、「自然環境(太陽・水・土地・大気)との調和を大切にし、そこに生息する多様な生きものとの共生を図り、環境保全や食の安全に配慮した農業」ということになるでしょう。
食べものは、人の身体を作り、心を満たすもの。自分や自分の大切な人がすこやかに心地よく生きていくために、“何を選んで食べるか?”は、とても大切なことです。

ライター 小林 さち

日本語学校で教師をしていた20代の頃、生徒さん達が自国の政治・文化・環境問題等について熱く語る様子に刺激を受ける。「自分も“国の底力”を支えるような仕事がしたい」「国の底力ってなんだろう?…まずは“食”と“農業”では?」と、オーガニック系食材宅配会社に転職。仕入れ・商品開発担当者として、全国の農家さん・漁師さん・食品メーカーさん等を訪ね歩く数年間を送る。たくさんの生産者や食材と触れ合う中で、「この国には、良い食品を作ってくれる人が思いのほかたくさんいる。でも、その良さが、生活者(消費者)にきちんと伝わっていないケースが多々あり、良いものがなかなか広がっていかない」ということを痛感するように。以降、広告宣伝の部署に異動した後、独立。現在はフリーランスの立場で、広告プランニング・コピーライティング・商品ラベルやパッケージの企画・食生活や食育に関する記事執筆等を手掛けている。