一般社団法人 日本有機農産物協会(Japan Organic Products Association)

コラム

VOL.1 コロナ禍の中、なぜオーガニック食品が売れているのか

※本記事はオーガニックBtoCサイトより移管した記事になります。

https://organic-btoc.com/index.html

新型コロナウィルスの感染が拡大した2020年の春以降、有機(オーガニック)食品の売上が世界各国で急増しています。米国の有機業界団体オーガニック・トレード・アソシエーション(OTA)が実施したアンケート調査によると、有機食品の購入動機で最も多かった答えは、「自分や家族の健康のため」だったそうです。ウィルスと闘うために、「まずは自分自身の免疫力をアップさせなければいけない」「少しでも身体にいいものを…」という意識が高まり、農薬・化学肥料・抗生物質・遺伝子組み換え技術・合成添加物などに頼らない、安心できる食品を求める生活者が増えているのでしょう。

新型コロナの重症患者には、肥満・糖尿病・高血圧などの基礎疾患を持つ人が多いというデータがあり、多くの専門家が、重症化する原因の一つとして、「基礎疾患による免疫力の低下」を指摘しています。経済誌「フォーブス」によれば、インターネットで食品関連の検索をする際に、「食品」「免疫系」という2つのワードをセットで入力する件数が、2020年春以降、急増しているとのこと。

有機食品の売上が特に伸びているのは、アメリカ・イギリス・フランス・インドなど、いずれも新型コロナによる死者数が特に多い国々です。感染や重症化を懸念する人々が、そのリスクを減らすため、安全な食品を求めていると考えられます。

有機食品の市場は、これまで、“一部の富裕層や健康オタクを相手としたニッチ(隙間)市場”と言われてきました。しかし、コロナ禍が長期化・深刻化している中、世界各国で、有機食品はニッチではなくメインストリーム(主流派)へと成長し始めています。今後、日本の有機市場はどのように動いていくのでしょうか?

日々、口にする食べものが、あなたと、あなたの大切な人の、身体を作り、健康を守っていきます。新しくスタートしたこのコラムでは、「食」を切り口に、皆さんの健康に役立つ情報をお届けしていきます。

ライター 小林 さち

日本語学校で教師をしていた20代の頃、生徒さん達が自国の政治・文化・環境問題等について熱く語る様子に刺激を受ける。「自分も“国の底力”を支えるような仕事がしたい」「国の底力ってなんだろう?…まずは“食”と“農業”では?」と、オーガニック系食材宅配会社に転職。仕入れ・商品開発担当者として、全国の農家さん・漁師さん・食品メーカーさん等を訪ね歩く数年間を送る。たくさんの生産者や食材と触れ合う中で、「この国には、良い食品を作ってくれる人が思いのほかたくさんいる。でも、その良さが、生活者(消費者)にきちんと伝わっていないケースが多々あり、良いものがなかなか広がっていかない」ということを痛感するように。以降、広告宣伝の部署に異動した後、独立。現在はフリーランスの立場で、広告プランニング・コピーライティング・商品ラベルやパッケージの企画・食生活や食育に関する記事執筆等を手掛けている。