一般社団法人 日本有機農産物協会(Japan Organic Products Association)

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2020国産有機サポーターズ活動事例集2

※本記事はオーガニックBtoCサイトより移管した記事になります。

https://organic-btoc.com

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Organic な「もの」「こと」「ひと」
  1. 国産有機サポーターズ活動事例集2
  2. 徳島県徳島市
    株式会社キノコファーム取締役専務 由良嘉基さん
  3. 【キノコファームとは】
    株式会社キノコファームがあるのは、自然豊かな上八万町(徳島県徳島市)。「椎茸栽培は水が命」と言われますが、この地域は大河原高原の最高峰「旭が丸」を湧水源とする良質な天然水に恵まれています。ここで、1965年からおよそ55年間にわたり、椎茸の栽培を手掛けてきました。肉厚で香り高いキノコファームの椎茸は、近年、多くのシェフやグルメたちの注目を集めています。

当初、『普及する品種ではない』と言われた椎茸・天(てん)恵(けい)菇(こ)が、
いまや、プロの料理人や美味しいもの好きな方々から注目される存在に。
有機JASを取得したことで、より安心して召し上がっていただけることと思います。

なぜ有機を目指したのか?日本で有機JAS法による有機認証制度がスタートしたのは2001年4月のことですが、当初、きのこ類はその範疇ではありませんでした。そこでキノコファームでは、まず、2005年に認証機関「リーファース」が始めた「国産安心きのこ認証」を取得。その後、有機JAS法が一部改正され、きのこ類の有機表示が認められるようになり、2020年1月に有機JAS認証を取得しました。「有機JASマークがついているから、お客様が高く買ってくださるかというと、現状ではまだ難しいと言わざるを得ません。けれども、安心して食べていただけるよう、一生産者としては出来る限りのことをしたい。それが有機JAS認証を取得した理由です」と語るのは、取締役専務の由良嘉基さん。
旨味がギュッと詰まったビッグサイズ椎茸
「天恵菇(てんけいこ)」近年、舌の肥えたプロの料理人や美味しいもの好きな方々の注目を浴びているプレミアムな椎茸、「天恵菇(てんけいこ)」をご存じでしょうか? 正式な品種名は「なばし天415号」。「なばし(茸師)」とは椎茸栽培専門の技術者のことで、椎茸の人工栽培が始まった江戸時代に生まれた職業です。2002年、協同組合日本茸師の会と有限会社高野きのこプラントにより共同開発された超大型の品種は、「天恵菇(てんけいこ)=天の恵みの菇(きのこ)」と名付けられましたが、「形が悪い上に栽培が難しく、普及する品種ではない」と、流通関係者から見捨てられてしまいました。けれども、地元の子ども達には「美味しい」「大きい」と大人気だったため、生産者は諦めることなく、コツコツと研究・改良を進めたのです。その後、徐々に栽培技術が向上し、形・大きさ・生産量が安定。誕生から12年もたった2014年に、ようやく本格的なデビューを果たしました。さらに2015年には、国内最大級の食の祭典「FOODEX JAPAN」の「美食女子コンテスト」において最高賞のグランプリを獲得。


 
美味しさの秘密キノコファームの主力商品であり、全国から問い合わせや注文が集まる「天恵菇(てんけいこ)」。見た目のインパクトに加え、旨み成分が従来品と比較すると約3倍も多く含まれているというデータがあります。さらに、雑味・苦味は通常の約10分の1ほどしかなく、椎茸が苦手な方でも食べられるほどクセがありません。今までの椎茸料理の常識を超えたメニューを作れるまったく新しい椎茸として、贈答用にも大人気。レストランでは、大きさや肉厚さをそのまま生かした「椎茸のステーキ」が人気メニューで、作り手である由良さんも、「一番好きな食べ方はバター焼き」だそうです。国産有機サポーターズに登録した理由と今後の抱負「国産有機農産物の素晴らしさを日本中の人にもっと知ってもらいたい」という思いから、国産有機サポーターズへの登録を決めたという由良さん。その一方で、こんな思いも。「一般消費者には、まだまだ、有機に関する情報が十分に届いていないと思います。『有機』と『一般栽培』の違いが良く分かっていなかったり、『有機』と『オーガニック』が別物だと思っていたりする方々が、たくさんいらっしゃるのです。サポーターズが活動していく中で、有機を正しく理解し、有機の魅力を知っていただけるように情報発信していけたらいいですね」 

■ Webサイト:http://kinoko-farm.sakura.ne.jp/index.html
■ Webショップ:https://kinokofarm.thebase.in/